日誌。

 
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06
 
一度思いついてしまったら、頭にこびりついて離れなかったので……。
タカバさんファンごめんなさい。
白一色に覆われ、慣れた家路すら見失いそうになるような、雪のしんしんと降る夜だった。
それでも無事迷わずに村境までこられたのは、遠方からでもそれと分かる6体の地蔵尊のお陰。
お礼をしようにも、今日の売上は離れて暮らす父親宛に送ってしまい、賽銭もない。

せめても…と、頭にのった雪を掃って、1つだけ売れ残っていた笠を先頭の地蔵につけた。
2体めの地蔵には、自分が付けてきた笠を。
3体めの地蔵には、羽織っていた半纏を頭から被せた。
4体めの地蔵には、迷った末に、着ていた着物を。さすがにぶるりと身が震える。
5体めの地蔵には、履いていた股引を逆さにして頭を覆った。

残る地蔵はあと1体。自分が身につけている物もあと1つ。

1体だけ何のお礼もなしでは申し訳ない。が、しかしさすがにこれだけは…という躊躇もある。
6体めの地蔵の顔が心なしか引き攣っているようにも見えるのは、積もった雪のせいだろうか。

音のない世界で、1人と1体の対峙は続いた。
そして。



「……さあ、急がないと。二郎丸が待っている」
まっしぐらに弟が待つ家へと駆けていく背中を見守る、端っこの地蔵の頭には、仄かな温もりを含んだ六尺はあろうかという赤い布が巻きつけられていたという――。

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